SSH関連カテゴリー: お知らせ

H30年度第1回東京大学金曜講座

今年度も、東京大学 教養学部教授の西崎 文子先生を講師としたテレビ会議による講座が4月27日に開講されました。今回は「歴史の中のアメリカ外交 ―「トランプ外交」の意味を考える」と題した、トランプ外交の特徴を、アメリカ例外主義を取り上げてアメリカ史の文脈から分析しながら、アメリカ外交の現在をオバマ大統領と比較して考えるという内容でした。本校生は1年生を中心に44名が17時30分から19時まで大講義室で拝聴しました。

生徒の感想から(抜粋)

トランプ大統領だけが「アメリカは例外」を意味した発言をしていると思っていたけど、アメリカ史の中ではしばしば見られたことだと知って驚きました。ICCに参加しない理由や、例外主義の二面性を知り、理解が深まったと思います。(2年 M. H.さん)

トランプ大統領の考え方はアメリカの例外主義に当てはまると思い、第三者の視点で客観的に見ることの大切さがよくわかりました。オバマとは対照的な考えを持つトランプの政治が、ベトナム戦争の反戦運動のように新しい動きの可能性があるならば、良い方向に変化するという願いも込めて期待してみたいとも思いました。(2年 J. S.さん)

私のイメージではオバマ前大統領の政治はとても協調性があり、今までの過ちやアメリカ、世界が抱える問題にしっかりと向き合っていたように思う。しかしトランプ大統領の政治になり、今のアメリカは「攻撃的」「利己的」になったように感じる。「例外的、特殊な国」「模範である」…。正直、今の私では理解できない。だが、トランプ大統領は不動産業を通じて世界を見、世界の抱える問題、また世界を動かすには経済力が必要で、自国が世界の模範になるべきだと考えたのだと思う。私はこのトランプ外交は世界を変える第一歩であると思う。(1年M. T.さん)

台湾国立彰化高級中學校との交流会

去る4月24日(火)、台湾国立彰化高級中學校の生徒72名が来校し、歓迎式典、施設見学と文化交流を行いました。2学年全員で迎え、式典を行ったあとは、施設見学、かるた部と茶道部による文化体験を行い、その後は生徒による7つの日本的テーマ(アニメ、木と暮らし、雪、kawaiiなど)をプレゼンテーションし、質疑応答や写真撮影を行い、最後は自由にお菓子を食べながら交流を楽しみました。基本的に交流はすべて英語でしたが、中には中国語を用いて自己紹介を行うプレゼンもありました。生徒たちは積極的にコミュニケーションを取ろうとする台湾の高校生に、大きな刺激を受けたようです。

プレゼンや施設案内を担当してくれた生徒の感想(抜粋):

交流会を行うまでは不安なことだらけでした。私はとくに英語が得意なわけではなく、むしろどちらかといえば苦手なほうだったので、尚更心配でした。しかし、実際に交流会が始まると、すぐにその不安はなくなりました。プレゼンテーション中は、台湾の方々は私が英語を間違ってしまっても、真剣に話を聞いてくれましたし、私たちが分かりやすいように丁寧に質問などをしてくれました。交流会ではマジックを見せてくれたり、日本語を話してくれる人もいてとても楽しかったです。(M.S.さん)

交流を終えてみて、実際に目の前に相手がいると、文法を考えたりする時間などなくて、言いたいことが全く英語で表現できないことにショックを受けました。改めて英語で人とコミュニケーションをする難しさを痛感したと同時に、これからもっと英語を勉強したいと思いました。自分の今の現状に満足せず、貪欲に英語を学んでいきたいです。(R.N.君)

本番2日前に原稿がやっとでき、前日の指導で不安と焦りを抱いて臨んだ交流会でしたが、台湾の方々が気軽に話しかけてくれて、またお菓子をくれたり写真をたくさん撮ったり、緊張はあっという間になくなりました。プレゼン本番も笑顔で行うことができました。この体験を通じて、まず台湾の方々のコミュニケーション能力の高さに驚きました。忙しくて、正直疲れたけれども、だからこそやり遂げた達成感は大きく、楽しさも倍増し、とても充実した日々を過ごすことができました。たくさんの人の支えに感謝です。(E.S.さん)

私はこの交流を通じて、自分の英語力を高めることができたと思います。テーマを決めるところから始まって当日まで、あっと言うまでした。それだけ充実していたのだと思います。英訳に苦戦しただけではなく、内容もどうすれば共感したり、興味を持ってもらえるかを考えながらプレゼンを作るのは難しく、同じグループの人達と知恵を出し合いました。かるた部でも、百人一首のルールを英語で説明するのはとても難しかったけれど、台湾の高校生が楽しそうにかるたを取っているのを見てうれしくなりました。準備は大変だったけど、台湾の方に楽しんでもらえたし、なにより自分も楽しめたので参加してよかったと思います。またこのような機会があれば是非参加したいし、次はもっと自分から話しかけていきたいと思います。(A. S.さん)

歓迎式典:

 

 

 

 

 

 

 

 

かるた体験&茶道体験

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本的テーマのプレゼンテーション

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集合写真

 

H29年度科学者の卵養成講座参加者活動報告会

東北大学が主催する「科学者の卵養成講座(飛翔型科学者の卵養成講座)」に参加し、最優秀賞で1年間の課程を修了した、高校3年八鍬知歩さんの研修報告会が4月10日に本校北アリーナで開催されました。

八鍬さんは、東日本大震災の教訓をもとに、水素発電の将来性に関するレポートをまとめ、自己推薦でこの講座への参加を認められました。5月から8月までの研究基礎コースでは、医学、航空工学、遺伝学、宇宙工学など幅広い科学分野を学び、9月からは学校推薦の参加者も加わって、午前は留学生と英語サロン、午後は講義を聞いてレポートを提出していました。研究基礎コースで優秀な成績を修めると、参加者130名の中から30名が研究発展コースⅠに選抜されます。八鍬さんは、研究発展コースに選抜され、高性能の地デジアンテナを製作し安定してテレビを映すことを目的としてアンテナの周波数帯を計測するという実験を行い、その内容についても報告してくれました。3月には口頭発表とポスター発表を行い、雑誌に掲載する論文も作成したとのことです。

最後に彼女は、科学者の卵に参加すると、1) 科学的視野が広がり、2) 他県の科学好きの友人ができ、3) 大学の教授から直接指導を受けることができ、進路目標が明確になります。また4) 英語サロンを通じて、英語でのコミュニケーション能力に自信がつく、とその魅力を後輩たちに伝えてくれました。

つくばサイエンスツアーを実施しました!

2018年3月19~20日に理系希望者28名が筑波の施設を巡り、科学への興味・関心を深めてきました。

1日目

「物質・材料研究機構」、「防災科学研究所」の2つの施設を訪問しました。

物質・材料研究機構

こちらの施設では、光ファイバーに高負荷がかかった場合に生じるファイバーヒューズ現象の説明・実演、シリコンウェハーなどの研究を行うクリーンルームの説明(お土産をいただきました)、人工ダイヤモンドを作成する超高圧環境の見学・説明、ナノチューブの研究についての説明、電子顕微鏡についての説明をしていただきました。
普段何気なく触れている製品に多くの技術が関わっていることを認識することができました。

 

防災科学技術研究所

こちらの施設では、地震ザブトン装置で様々な地震を体験できました。施設見学は「大型耐震実験施設」、「大型降雨実験施設」の2施設を見学させていただきました。それらの施設の大きさに圧倒されました。また、我々の安全を確保するためには、そのような大型の実験施設が必要であることも認識しました。最後に「Dr.ナダレンジャーの防災科学実験ショー」を見ました。全員がショーに引き込まれて楽しい一時を過ごしました。楽しさの中で、現象が小さいうちは楽しい実験でも、大規模になると災害になると教えていただき、災害について再認識することができました。さらに実験装置「エッキー」をお土産でいただくこともできました。

 

 

2日目

「高エネルギー加速器研究機構」、「筑波実験植物園」と「国立環境研究所」の2コースに分かれて、それぞれの施設を訪問し、その後、「筑波宇宙センター」を訪問しました。

高エネルギー加速器研究機構

フォトンファクトリー(放射光を使った実験施設)では、放射光を取り出す原理の説明や、それらを用いた研究について説明していただきました。材料の研究、タンパク質などの生命にかかわる研究、宇宙についての研究などの様々な研究がおこなわれてることを学びました。Bファクトリー(1周3kmの円形加速器)では、素粒子の説明、B中間子を生成させ、「CP対称性破れ」に関する測定を行っていること、加速器の構造についての説明をしていただきました。粒子を加速し光速に近づける話など、日常とかけ離れた内容に驚きながらも興味を持つことができました。

  

筑波実験植物園

珍しい世界の多種多様の植物を見ることができました。「植物の多様性を知る・守る・伝える」ということを目的として、植物が展示されていました。それらの展示を見ることで、植物の多様性が我々の生活を支えていることを再認識し、重要なものであると学ぶことができました。

国立環境研究所

地球温暖化に関する研究の概要を説明していただきました。地球温暖化が叫ばれて久しい中で、現在どのような調査研究が行われているのかを解説していただきました。改めて地球の危機を感じ、我々一人ひとりが何をしなければいけないかを考える機会をいただきました。また、環境資料タイムカプセル棟では、絶滅危機のある生物の遺伝子が保存され、研究や種の保存に役立っていることを知りました。地球が我々人類だけのものではないと再認識させられました。

筑波宇宙センター

展示館「スペースドーム」では、実物大の人工衛星などを見ることができ、宇宙への関心が膨らんできました。また、見学ツアーでは「きぼう」運用管制室、宇宙飛行士養成エリアを見学しました。「きぼう」運用管理室では宇宙開発を支える様子をうかがい知ることができました。宇宙飛行士養成エリアでは、無重量状態が人体にどのような影響を与えるか、また、無重量状態が生物にどのような影響の実験について学ぶことができました。宇宙に近づけたひとときでした。

 

東京大学「高校生のための金曜特別講座」⑨

2月16日(金)、今年度第9回目となる「高校生のための金曜特別講座」が行われました。受講生徒は、1年次生56名、2年次生1名です。

今回は、東京大学教養学部総合自然科学科 教授 松田 良一 先生による「哺乳類の進化と妊娠-胎生の不思議ー」という演題でした。人類にとって、まだまだ未知な現象が多い胎生・妊娠現象について、マウスの実験結果などを交えて分かりやすくお話しいただきました。

また、松田先生は、この「高校生のための金曜特別講座」の創始者であり、この3月末でご退職されるということで、講演後半では、「高校生のための金曜特別講座」の歴史や先生の思い入れを熱く語ってくださいました。

今年度の本講座は終了となります。また4月から開講予定です。

以下に、生徒の感想の一部を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

免疫の分野で、自己と非自己について学習したことがありました。妊娠のことをよく考えると、なぜ拒絶しないのか、という疑問があることに、改めて気付きました。胎児の細胞が母体に進入しても拒絶しないことは驚きです。理由をもっと詳しく知りたいと思いました。また、マウスの実験で、老いているマウスが若返ったという内容をきいて、あり得ることなのかと驚きました。今まで妊娠については深く考えたことがありませんでしたが、こういった視点から考えると面白いと思いました。(女子)

中学校では理科や保健体育の授業で胎盤や妊娠について触れたが、今日初めて知ったことが沢山あった。特に、妊娠が進むにつれ、ヒトの胎盤の毛細血管が発達することや、疫学的に最終出産が遅い経産婦は長寿になるということが印象的だった。また、妊娠が胎児の生存を高めるとともに、母体にも有益であるということも理解できて良かった。(男子)

第3回体験型実習講座「振動反応」が行われました!

2月7日、今年度の最終回となる体験型実習講座が、本校化学実験室にて実施されました。

今回の講座は、山形大学理学部理学科 教授の鵜浦 啓先生より、「振動反応」というテーマで実施していただきました。対象生徒は高校2年次理系生徒22名です。

はじめに、「ブルーボトルの実験」。メチレンブルーがブドウ糖で還元されて色が消え、振って酸素で酸化されると元の青にもどる。次に「信号反応の実験」インジゴカルミンの段階的な酸化還元反応で赤、黄色、緑と次々色が変わる様子に生徒も釘付けです。

 

 

 

 

 

 

次に、化学反応とエネルギーのつながりについてお話いただきました。化学カイロの反応が電池に応用できたり、化学反応のエネルギーが光として取り出せる「ルミノール発光」も観察しました。

そして、反応速度、化学平衡に関わる実験へ。「サーモクロミズムの実験」では温度によってコバルト化合物の色が変化するのが不思議な生徒たち。理由は3年生で学習します。

いよいよ非平衡の世界「振動反応」です。振動反応の理論を生物(オオカミとウサギ)の盛衰、そして数学的な考え方「ロトカーボルテラの方程式」という説明を聞き、いざ実験。黄色⇒色が消える⇒黄色⇒…を繰り返す様子を興味深く観察しました。

<主な生徒の感想>

・今回の講座では沢山の実験ができて楽しかったです。私はテレビなどで「ルミノール反応」については知っていましたが、詳しいことは分からなかったので、今日自分で実験して理解を深めることができました。「振動反応」では色が交互に変わっていく、とても興味深い実験でした。普段の授業では、先生の話を聞いて結果を頭では分かっていても、実際に実験してみると、より理解できました。(女子)

・様々な実験を行えて面白かった。しかも一つ一つの実験が簡単で成功しやすく面白かった。色が変わるといっても、振り方や温度の違いで変化が異なった。目の前で見る反応が、自分たちのよく知っているものに関係しているかと考えると、化学とは興味深いと思う。様々な現象に心奪われた時間だった。(男子)

鵜浦先生、たくさんの魅力的な実験を体験させていただき、本当に ありがとうございました。

SSH通信 第3号

東桜夢フィールド 国内フィールド「沖縄・西表フィールドワーク」に行ってきました!

今年度初めての実施となった国内フィールド(沖縄西表フィールドワーク)は、本校高校1年次生希望者17名(男子10名、女子7名)の参加となりました。国内フィールドの目標を達成するために、生徒たちは5回の事前学習会を行い、各テーマ(地形・地質・植物・海洋生物・サンゴ・動物・星・気象・紫外線・歴史・産業・観光・農業・沖縄本土)ごとに事前レポートを作成し、さらに個人で探究テーマを持ち沖縄西表フィールドワークに臨みました。

12月12日(火曜日) 天気 雪  吹雪の中の出発!

兼子研究課長の激励をいただき、いよいよフィールドワークのスタートです。雪の東根市をバスで出発し、気温1度の仙台空港から気温20度の沖縄那覇空港に到着し、空港からバスで琉球大学に向かいました。

*SS健康科学講義 16:20~18:45

琉球大学では、教育学部の大学院生から大学施設を案内していただき、その後、教育学部教授(医学博士)の遠藤洋志先生から、SS健康科学に関わる「沖縄地方の熱中症」についての講義をいただきました。熱中症の定義や熱中症になる生体的メカニズム、また、予防や調査方法について学びました。山形とは異なる気候区分の、亜熱帯地方に属する沖縄地方でのWBGT(熱中症指数)のデータや、沖縄でのインターハイで熱中症対策のために熱中症研究が生かされたことなどをお聞きしました。熱中症予防については、WBGTを比較するには地域性の考慮が必要であることや、WBGTが急に高くなる梅雨明け時期が危ないこと、さらに、蒸発する発汗の重要性や飲水の必要性、また、血液量をアップさせるようなWBGT上昇前の継続的な運動が重要であるとのことでした。さらに、本校の2年生で熱中症について探究している生徒がおりそのデータから、東根(山形)では5月頃に急激に上昇する日があり注意が必要であることにも触れられました。

山形からの長時間移動の後でしたが、生徒からは沢山の質問が行われ、大変充実した講義となりました。エネルギッシュにさらにとても分かり易く講義をしていただいた遠藤先生、本当にありがとうございました。

さくらんぼ東根駅での出発式

東根市は吹雪になりました

キャンパス内もハブに注意です!

 

 

 

 

 

 

 

琉球大学教育学部 遠藤先生の講義

 

 

 

 

 

 

 

 

12月13日(水) 曇り  さあやるぞ!

5時45分にホテルを出発し、早朝にも拘らず満員のゆいレールに乗り、那覇空港まで向かいました。8時過ぎには南ぬ島石垣空港行に到着し、すぐに離島桟橋までバスで移動しました。石垣島では、真冬とは思えない日差しを受け、今日から始まる西表フィールドでの研修を期待させました。離島桟橋からは船での移動になります。少し波が高い海原を船は進み、1時間ほどで西表島大原港に到着しました。大原港からはバスで琉球大学西表研究所に移動しました。

*フィールドワーク① 13:30~17:00

 いよいよ午後からは、フィールドワークの始まりです。フィールドワークの講師は琉球大学西表研究センター准教授 渡辺 信先生です。フィールドワーク①は予定通り西表島森林・植物観察を行いました。まずは船浦橋の西端から二人組でカヌーに乗り、船浦の入り江になった浅瀬を進み、ヒナイ川に入り川岸にカヌーを付けました。そこからは亜熱帯植物の生い茂る山道をトレッキングし、ピナイサーラの滝まで向かいました。途中、板根が発達した樹木、イチジクのような小さな実を幹に直接つけるギランイヌビワ、食べると死に至るクワズイモ、石炭紀を思わせる5mを超えるようなヒカゲヘゴ(シダ類)やシロ類などの植生が生い茂っていました。また、ピョンピョンと跳ねる南トビハゼを見ることができました。足下は濡れていましたが地面の砂岩の表面がざらざらとしており滑りにくく、見た目より安心して歩くことができました。滝に着くとその迫力と水しぶきに圧倒されました。落差50mはあろうかという滝は、八重山地方の方言で「白い髭」を意味する、「ピナイサーラ」と名付けられ、節理の発達する砂岩の断崖を流れ落ちるその姿に生徒たちは興奮を隠せませんでした

まずはカヌーの練習です

ヒナイ川を遡ります

板根の大木と

 

 

 

 

 

 

 

 

約40分ほどジャングルをトレッキングし、ピナイサーラの滝に到着です

 

 

 

 

 

 

 

 

*事後研修と振り返り 19:50~21:50

夕食後は各自一日の振り返りを行い、その後、渡辺先生から、科学的な探究の方法と人生と教育についての講義をいただきました。自分の人生を自分で生きるために、自分で決断することの重要性や事前レポートで課題となっていた、「幸せ」について皆で考える時間となりました。その後、真っ暗な中を蛍の観察に出かけました。生まれて初めて蛍を見る生徒もおりとても興奮していました。渡辺先生には夜遅くまで生徒たちのためにご指導いただき本当にありがとうございました。

マングローブ泥炭は硫化水素の匂いがします

オオシママドボタルの幼虫

 

 

 

 

 

 

 

 

12月14日(木) 曇り時々晴れ カンムリワシを発見!

*フィールドワーク② 9:00~12:30

フィールドワーク②は、マングローブ林と干潟の観察です。本日も琉球大学西表研究所の渡辺先生よりご指導いただき、船浦橋の西側からマングローブ林をトレッキングし、天然記念物に指定されている船浦ニッパヤシ群落を目指すルートです。途中、渡辺先生からマングローブについて詳しく説明をいただき、マングローブは世界的に約70~100種類確認されており、そのうち8種類が日本に存在しているとのことでした。ヤエヤマヒルギとヒルギの区別の仕方や、支柱根・膝根・板根などの違いや、土中に埋まる根の部分がスポンジ状になっていることなどを、実際に土を掘り、自分の目で確認しながら詳しく観察しました。干潮のため潮の引いたマングローブ林ではありましたが、粘土質の地面に足を取られながらも、鬱蒼と生い茂るマングローブ林の中を元気よく進みました。ニッパヤシ群落では5mを超えるような、約50本もの大きなニッパヤシに圧倒されました。この株はすべておなじDNAでできているクローンであるということでした。その後は、昨日カヤックで渡った船浦湾を、干潮で干上がった状態を利用して歩いて進みました。途中、沢山のミナミコメツキガニと戯れながら、時間が経つのも忘れ観察を行いました。

マングローブ林を進みます

マングローブの筍根の観察です

植林9年目のマングローブ

 

 

 

 

 

 

 

 

マングローブの土中の根は柔らかく孔だらけです

ニッパヤシ群落到着!

引潮とはいえ、深いところもあります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11時頃、干潮となり、船浦湾は干潟になりました

ミナミコメツキガニの群れ?

 

 

 

 

 

 

 

 

*フィールドワーク③ 13:30~15:30

フィールドワーク③は最も期待度が高かったシュノーケリングを行っての、海洋生物の観察です。現地の方々にとって12月は冬ですが、極寒の山形育ちの生徒たちには、少し寒いくらいで、何とか海水中での観察も可能な天気となりました。準備体操を終え、星砂の海岸で実習を行いました。有孔虫の殻で埋め尽くされた綺麗な海岸には、砂岩の露頭も見られました。水中では、キクメイシ(サンゴ)など数種類のサンゴと、ブルーの色鮮やかな魚たちや、シマシマのウミヘビを観察することができました。山形では考えられない大変貴重な経験となりました。

 

いよいよシュノーケリングです

水中カメラ大活躍です

きれいなサンゴ礁です

 

 

 

 

 

 

 

 

星砂ヶ浜の有孔虫

 

おもわずパチリ

ウミヘビ発見!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*事後研修② 17:00~18:45

渡辺先生による、本日の講義は、植物が光合成のために必要とする光の話を切り口に、植物の進化やサンゴについてです。太陽の電磁波の種類から、光の吸収と植物の階層構造高や、サンゴと共生する褐虫藻とサンゴ白化現象について講義をいただきました。

渡辺先生による講義

美味しかった研修所のカレーライス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*研修の振り返り 20:20~21:50

これまでご指導いただいた、渡辺先生にも参加していただき、研修の振り返りを行いました。事前レポートのまとめと、この研修で感じたことや変化などを、個人の視点で発表し合いました。

振り返りの様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<生徒の振り返りから>

・今回の研修を行って、学習方法や考え方を変えてみたいと思った。

・自分の調べたものは実際に来てみると表層的なものでしかないと気付いた。

・山形との違い。山形の土は生物が分解してさらさらしている。

・体験することで分かることがある、経験値を上げることは大事だと思った。

・滝の水しぶきや壮大さに圧倒された。西表の生物は毒を持っているのが多いのではないか、つまり、外敵が多く生きていくことが大変なのだろう。

・シャワールームに大きな蜘蛛がいて驚いた。ここでしか分からないことがある。

・山形からあまり出たことがなかったので、よい経験になった。

・事前研修の大切を実感した。学校の生活に生かしたい。

・自分の持っている力がいかに小さいか、違う環境下での自分の無力さに気付かされた。

・予測できないことへの対応力の重要性を痛感した。

・行動するときに息を合わせることや、仲間と協働する大切さを学んだ。

・自分で考えて行動する大切さを感じた。

・事前研修と実際の違いを知ることが、楽しかった。

・これからも自分で選択できる研修に積極的に参加したい。

・西表の自然を知ることで、山形の自然にも興味を持つことができた。

・植物に様々な根の形があるように、沖縄の生物は生命力が強いように感じる。

・この研修に自分で参加することを決めて、チャレンジしたことで自信が持てた。

・例えばイリオモテヤマネコを保護するための沢山の工夫がされていたり、何かを守るために誰かが色々なことをしていることに気付くことができた。

・初めてのことや新しいことに挑戦することは勇気がいるが、これからも積極的にチャレンジしたい。

 

12月15日(金) 晴れ   西表は夏の様な青空です!

これまでは、曇り空のため星空を観察することできませんでしたが、最後にしてようやく星を観察することができました。早朝の時間帯ではありましたが、まだまだ空は暗く、残念ながらふたご座流星群や南十字星を観察する目的は達成できませんでしたが、瞬きの少ない星々を見ることができました。生徒は誰も起床していませんが・・・

お世話になった、研究所の宿泊棟の掃除を行い、渡辺先生のお見送りをいただき、8時過ぎに琉球大学西表研究所を後にしました。生徒たちは大原港までの車中で名残を惜しむかのように、西表の景色を目に焼き付けていました。イキテクイ(さようなら)西表。

雪の東根に到着したのは19時となりました。気温は寒い東根ではありましたが、学校から佐藤勇二先生と高木先生のお出迎えをいただき、心は温かく研修を終えることができました。

西表島大原港

イキテクイ 西表

 

 

 

 

 

 

 

 

おわりに

講義をいただきました琉球大教育学部の遠藤洋志先生と研究室の大学院生の皆様、また、西表フィールドワークについて気候や自然の現象(潮位)などを考慮しながら適切に判断し計画を立てていただき、フィールドにおいては懇切丁寧にご指導いただきました琉球大学西表研究所の渡辺信先生、さらに、期間中お世話になりました琉球大学研究所の皆様、本当にありがとうございました。最後になりましたが、今回の研修をお手伝いいただきました、日本旅行の矢口さん、本当にありがとうございました。

1年次東桜アカデミックツアー クラス発表会

11月21日(火)7校時目の総合的な学習の時間に、先日実施した東桜アカデミックツアーのクラス発表会を行いました。

訪問先ごとに数名のグループとなった生徒が、訪問先で学んだことをクラスメイトの前でプレゼンテーションしました。

発表ポスターを電子黒板に投影したり、クラス分のポスターをまとめて冊子資料を作り上げたりなど、クラスによって様々な工夫を凝らした発表会となりました。先週の総合的な学習の時間1時間だけという限られた準備の中で作成したポスターでしたが、大変よくまとめられているものが多く、クラスメイト全員で学びを共有することができました。

東京大学「高校生のための金曜特別講座」⑥

11月17日(金)に今年度6回目となる東京大学「高校生のための金曜特別講座」が大講義室で行われました。

今回は東京大学生産技術研究所の沖大幹教授による「宇宙から探る地球の水循環と世界の水資源」というテーマの講座でした。参加生徒は1年次67名でした。

 

 

 

 

 

 

 

天文学ならぬ水文学という立場から、水をめぐる諸問題を宇宙からの観測をもとに様々な視点から解説していただきました。以下に参加生徒の感想の一部を紹介します。

私たちが授業で習ってきたものは、人の手が加えられていない”自然”についてだったので、人間が地球全体にダメージを与えていることを知りました。また、地下水(化石水)の循環によって海水面の上昇をもたらすことがあり、単に温暖化のみが原因ではないことに驚きました。

今回の講義で初めて水文学という学問を知った。当たり前のように地球を覆っている水が、たくさんの秘密や科学の力が隠れていることを知った。毎朝ニュースで普通に見ている気象衛星の図も、自分たちが生まれる約10年前からライブで見ることが出来るようになったことに衝撃を受けた。また、技術の進歩から降水シュミレーションができるようになったり、これからの未来はたくさんの進歩した技術にあふれているのだと改めて感じた。

今日の講座で一番印象に残っていることは地下水や化石水の話です。化石水という言葉自体、初めて聞き、昔降った雨が地下にたまっていることに驚きました。また、地球の重力に地下水が影響していることを初めて知りました。地球の水問題やその原因などを学べて良かった。