10月10日(金)、令和7年度後期の東京大学による、高校生と大学生のための金曜特別講座が開講されました。本校からは、中学生7名、高校生29名の、計36名が聴講しました。「生き物はなぜ過酷な環境にも適応できるのか?――細菌に学ぶ複雑システムの適応原理」というタイトルで、東京大学教養学部 統合自然科学科・教授の若本 祐一先生から、生物物理学についての講義をしていただき、生徒からは次のような感想が寄せられました。
●生物物理というあまり触れたことがない分野だったけれど、とても興味深い講義だった。多細胞生物だけでなく単細胞生物についても過酷な環境における適応能力があるということを初めて知った。細胞が置かれている過酷な環境を再現して増殖しにくくした実験でも、大腸菌などの生物が生き残ろうとする性質があることに驚いた。増殖について強い意識があると感じたし、生命に関する重要な部分を変えないで適応していくのもおもしろいと感じた。
●自分たちの何倍も小さな細胞の強い生命力に驚いた。細胞は、温度や抗生物質、放射線などの様々な環境へ適応・順応していて、細胞の適応力・順応力は、体の大きな自分たちと比べ物にならないほど強いものなのだと思った。 細胞の抗生物質に対するパーシスタンス現象では、しぶとく生き残ろうとしたり、集団の中で新たに死ににくい細胞が生まれたりなど、自分のその環境への弱い構造を変化させる能力が面白いと思った。 若本祐一さんのおっしゃていた、ゆらぎが適応において重要だという考えにすごく納得した。
微細な生物の生き残り方を学び、感銘を受けた、また、自分ごとに置き換えて、粘り強く頑張ろうと思ったという感想を寄せてくれた生徒もいました。今回の講義では、最新の研究や学問だけでなく、細菌の生き様を通して、私たち人間にとって大切なことも教えてくれたようです。
本校で聴講する東大金曜講座は全6回を予定しています。引き続き、多くの生徒の皆さんの参加をお待ちしています!