12月12日(金)、今年度最後の高校生と大学生のための金曜特別講座を校内で聴講しました。今回は、江⼾時代の読書⽣活̶̶ 出版は社会と⼈間に何をもたらしたかと題して、教養学部 教養学科・准教授 ⻘⼭ 英正 先生に講義をしていただき、中学生7名、高校生39名の計46名が参加しました。参加した生徒からは、以下のような感想が寄せられています。
・「浦島太郎」は昔から受け継がれていたから話の内容は変わらないと思っていたけど少し違っていたり浦島太郎のパロディー作品もあったりしていて今よりも読書文化が豊かだなと思った。そして時間が経つに連れ時代の変化とともに内容の変化があり、その次代にあった「浦島太郎」になっていることがわかった。更に読者の身分や年齢によっても付け加える内容や削除する内容があることが面白いと思った。その中でただ内容を変えているのではなく伝えたいことや教育として教えるべきことを話の中に持っていて、そこから日本人の人柄が来ているのかなと思った。
・今となっては、同じ本が大量に販売していることは当たり前だけれども、それが江戸時代から始まっている画期的なものだということにとても驚いた。書物の形態の変化によって、話を知っている人が、知識を持っている人だけでなく、庶民にも広がり、親しみやすいものに変わっていったことがとても印象に残った。
かつて、書物は書き写すもので、そこにある知識は、一部の限られた人々や知識人のみが得られるものであったこと、また江戸時代に出版文化が発達したことで、それが多くの人に行き渡るようになったことを、青山先生から様々な例を挙げながらわかりやすく教えていただきました。あらゆる情報や知識に簡単にアクセスできる現代だからこそ、その歴史と重みを学ぶことは、とても意味のあることだったようです。
今年度の東大金曜講座は今回で最後となりました。
様々な分野の専門家から話を聞いたことを、今後の学習や探究活動に、さらに活用してくれることと期待しています。

