SSH関連カテゴリー: 体験型実習講座

第1回体験型実習講座が開催されました。

6月17日。今年度第1回の体験型実習講座が本校化学実験室にて開催されました。今回の講座では、山形大学工学部准教授の奥山正明先生にお越しいただき、「炎の科学」というテーマで実施していただきました。対象生徒は2年次理系生徒約30名です。

以下に、参加した生徒の感想を掲載します。

炎が自分の生活の中で役に立っていることは知っていて、当たり前に今まで使っていた。でも、まだ分かっていないことや研究が進んでいないことを聞いて驚いた。実験では炎の温度の測り方を初めて知ることができた。私がいちばんおもしろいと思ったことは、炎の中でさまざまな反応が起こっていることだった。あまり意識して炎を詳しく見たことがなかったが、中が空洞だったりしたので、周りの物ももっとくわしく見てみたいと思った。

本日の体験型実習講座で、私たちの生活の身近にある炎のことについて、いろいろなことが学べてよかったです。一番驚いたことは、芋煮の時にナベに付着する黒いすすについて、まだ解明されていないことがとても多かったり、実用化できたら今までよりも便利な世界にできる可能性を秘めている物質ということです。課題研究で、このようなことを研究しても楽しいと思いました。

テーマが「炎」ということで身近にあるものだったけど、実際には知らないことが多くて学ぶことが多くありました。炎の色でも青炎と輝炎があり、青炎では水素と酸素の反応でOHが生成されていて、輝炎では、すす粒子が加熱されて輝くと知りました。また、実験では金属の組み合わせや炎の位置で温度が異なると知りました。そして、火炎はエネルギーを作り出すだけでなく、物質の交換や生成にも役立っていると知り、もっと詳しく知りたいと感じた。

奥山先生、本日はありがとうございました。

初めに講義を聞いて、いざ実験。

炎の上から金網をあてると中が空洞なのが確認できる。

第3回体験型実習講座「振動反応」が行われました!

2月7日、今年度の最終回となる体験型実習講座が、本校化学実験室にて実施されました。

今回の講座は、山形大学理学部理学科 教授の鵜浦 啓先生より、「振動反応」というテーマで実施していただきました。対象生徒は高校2年次理系生徒22名です。

はじめに、「ブルーボトルの実験」。メチレンブルーがブドウ糖で還元されて色が消え、振って酸素で酸化されると元の青にもどる。次に「信号反応の実験」インジゴカルミンの段階的な酸化還元反応で赤、黄色、緑と次々色が変わる様子に生徒も釘付けです。

 

 

 

 

 

 

次に、化学反応とエネルギーのつながりについてお話いただきました。化学カイロの反応が電池に応用できたり、化学反応のエネルギーが光として取り出せる「ルミノール発光」も観察しました。

そして、反応速度、化学平衡に関わる実験へ。「サーモクロミズムの実験」では温度によってコバルト化合物の色が変化するのが不思議な生徒たち。理由は3年生で学習します。

いよいよ非平衡の世界「振動反応」です。振動反応の理論を生物(オオカミとウサギ)の盛衰、そして数学的な考え方「ロトカーボルテラの方程式」という説明を聞き、いざ実験。黄色⇒色が消える⇒黄色⇒…を繰り返す様子を興味深く観察しました。

<主な生徒の感想>

・今回の講座では沢山の実験ができて楽しかったです。私はテレビなどで「ルミノール反応」については知っていましたが、詳しいことは分からなかったので、今日自分で実験して理解を深めることができました。「振動反応」では色が交互に変わっていく、とても興味深い実験でした。普段の授業では、先生の話を聞いて結果を頭では分かっていても、実際に実験してみると、より理解できました。(女子)

・様々な実験を行えて面白かった。しかも一つ一つの実験が簡単で成功しやすく面白かった。色が変わるといっても、振り方や温度の違いで変化が異なった。目の前で見る反応が、自分たちのよく知っているものに関係しているかと考えると、化学とは興味深いと思う。様々な現象に心奪われた時間だった。(男子)

鵜浦先生、たくさんの魅力的な実験を体験させていただき、本当に ありがとうございました。

体験型実習講座in山形大学理学部が行われました。

1月22日、1月29日に、山形大学理学部にて、高校2年次理系生徒78名を対象に体験型実習講座が実施されました。

昨年度に引き続き、山形大学理学部理学科 近藤慎一先生、宮沢豊先生より、「有機合成化学~アセトアニリドの合成~」、「DNA抽出とPCR法」のテーマで実施していただきました。

★「有機合成化学~アセトアニリドの合成~」

実験は次の手順で行われました。

・試薬とその量や理論収量を計算する。

化学で習った知識を元に計算しました。

・アニリンに水と濃塩酸を加えてろ過する。

いつもとは違う複雑なろ紙の折り方に生徒は苦心していました。

・無水酢酸を塩酸アニリン溶液に加え、すぐに酢酸ナトリウム水溶液を加える。(合成)

・氷冷し、吸引ろ過を行って、粗収量の測定を行う。

高校にはない、水道の水の勢いを使う吸引ろ過装置に興味のまなざしを注いでいました。

・得られた粗アセトアニリドを再結晶させ、アセトアニリドの結晶を取り出しました。(精製)

結晶が現われてくると、その美しさに感動していました。

・アセトアニリドを再び吸引ろ過で取り出し、溶媒を取り除く。

・ろ過したアセトアニリドを減圧下で加熱し、乾燥させ、最終的な重さを測る。

・実際に取れたアセトアニリドの理論収量に対する割合(収量)を求める。

実験では50%~60%程度の収量でした。有機合成では不純物も出来てしまい、すべてを目的の物質にすることができないことが分かりました。

・融点測定で純粋なアセトアニリドができたかを確認する。

簡単にできそうな気がしても実際やるとなかなか大変な測定であることが分かりました。

有機化学分野は、まだ学習していませんでしたが、これまで学習した化学の知識が活きる部分が実験の随所にでてきました。生徒たちが化学の面白さを感じることができる実験で、大変素晴らしい経験となりました。

近藤慎一先生、本当にありがとうございました。

<主な生徒の感想>

・私は今現在、化学科への進学を考えているため、今回の実習はとても有意義な時間になりました。実験は楽しく、改めて化学に対して興味を持たせてくれました。また、大学の雰囲気に触れることもできたのではないかと思います。私も受験生という立場になり、今後は一層受験勉強に励むことになります。今回の実習は私の受験に対するモチベーションアップという点でも意味のあるものでした。化学はもちろん、大学進学に向けて自主的な学習を頑張っていきたいです。(女子)

・今回の講義を受けて、私はとても刺激を受けました。自分が全く知らない内容だったので強く興味を持ち、積極的に実験に参加することができ、高校ではなかなかできないような体験をすることができました。この体験型実習講座で体験したことを踏まえて、「大学に入ったならば、このような実験をするのか」、「このような実験をして、自分はどのような考えや発見をするのだろうか」と考えさせられ、今後の大学受験への意気込みをより一層大きなものとし、活かしていきたいです。(男子)

  

★「DNA抽出とPCR法」

実験は次の手順で行われました。

・シロイヌナズナからのDNAを取りだす。

慣れないマイクロピペットに四苦八苦しながらも、ミスのないよう取り組んでいました。

・試料をPCR(DNAを増幅する機械)にかけます。

わずかなDNA断片が膨大な量となり、様々な分析や、場合によっては犯罪捜査にもつかわれることを学びました。

・電気泳動法によるDNAの検出。

染色に使われる蛍光色素は発がん性があるということ、また、感電の危険もあるという説明を聞き、生徒たちにも緊張が走ります(危険なところは宮沢先生がしてくださいましたが・・・)。

・電圧をかけてDNA断片を検出しました。

・結果をモニター上で確認。

うまく増幅されていたDNAがバンドとなって見え、一日の取組の成果によろこぶ班も多くありました。実験というのはこのような地道な細かい作業の繰り返しであることを最後に身を持って教えていただきました。

宮沢豊先生、本当にありがとうございました。

<主な生徒の感想>

・今回、講座に参加してみて、今まで知らなかったことをたくさん知ることができた。DNAは一度学習した分野だったので理解できていると思っていたが、まだまだ知らないところもあり、もっと詳しく学習してみたいと思った。また、実際に自分達でDNAの抽出とPCR法という実験をしてみて、やはり実験は面白いと思った。使ったことのない器具も使用したが、実験を成功させることができたので良かった。今回の実験結果をもとにDNAの長さをしっかり求めてみたいと思った。(女子)

・今日の講座では自分のわからないことを詳しく知れたり、あいまいに覚えていたところがすっきりしたりと、とても良い時間でした。また、DNA抽出の実験では途中ちょっとしたトラブルがあってうまくいくか不安だったが結果を見てきれいにDNAが写っていてほっとしました。記念にもらった写真は大切にしたいと思います。普段は見ることのできない機器が見れたり、先生方の熱い指導のおかげでとても良い1日を過ごせました。今日学んだことは決して忘れず、今後の生活に活かしたいと思います。(男子)

 

第2回体験型実習講座「放射線」が行われました!

10月4日、今年度の第2回体験型実習講座が、本校物理・地学実験室にて実施されました。今回の講座は、113番新元素「ニホニウム」の合成および命名に携われました山形大学理学部物理学科教授の門叶冬樹先生から、昨年度に引き続き「放射線の基礎知識」というテーマで実施していただきました。対象生徒は2年次理系生徒28名です。

はじめに、放射線についての基礎知識を講義いただきました。危険なイメージの強い放射線ですが、正しい利用の仕方で、様々な方面で活用されていることを学びました。


 

 

 

 

 

 

引き続き、測定器「はかるくん」を用いて、校舎内外の放射線(γ線)測定をしました。生徒たちは、各々分かれて、真剣に測定していました。途中、自動販売機やコピー機などの電子機器の付近で、メーターを振り切れるほどの値を示し、驚いている生徒が現れましたが、それは電子機器からのノイズということで安心しました。

 

 

 

 

 

 

 

測定後、持ち帰ったデータとしては、0.040μSv/h前後の値で安定していました。

さて、後半は簡易霧箱を製作し、実際にα線の飛跡を観察します。

 

 

 

 

 

 

 

スポンジにエタノールをしみ込ませ、線源をセットします。底面を冷やすためのドライアイスを男子生徒がパウダー状に砕きます。男子生徒の多くは、このドライアイスを砕く作業に大盛り上がり!見事パウダー状になったドライアイスを敷き、霧箱を上にセットさせLEDで照らすと、放射状に飛び出してくるα線の飛跡が、飛行機雲のように白い線となって観察されました。「すごーい」という生徒の純粋な感動の言葉があちらこちらであがりました。しばらくじっと観察しています。α線という放射線に癒される時間がしばらく続きました。

最後に、昨年、命名権を日本が得た新元素113番「ニホニウム」の合成および命名会議の様子や山形大学の総合研究所についてなど、貴重なお話も伺うことができました。

<主な生徒の感想>

・私は”放射線”と言われると、体に悪いものだと思っていました。ですが、今回の講座に参加し、放射線は私たちの生活においてとても大事な役割を果たしていると気づくことができました。また、実際に放射線量を計測したり、放射線を目で見るというような経験したことのない、貴重な体験をさせていただき、放射線がとても身近なものに感じました。そして、化学・物理について、以前より興味がわいてきました。(女子)

・放射線は私たちの想像以上に存在し、空から降ってくるものだけでなく、建物から、人の体内からも発生しているものだと知ることができました。それに加え、放射線は医療にも使われて高エネルギーにしたものをがん細胞に照射し、対象の細胞のみを殺す方法も発見されていると知り、ますます山形大学に進学したいと考えるようになりました。(男子)

 

門叶先生、本日は本当に ありがとうございました。

次回の体験型実習講座は、理系生徒全員を対象として、1月に山形大学理学部にて行われる予定です。

第1回体験型実習講座が行われました。

6月12日、今年度の第1回目の体験型実習講座が、本校化学実験室にて実施されました。今回の講座は、山形大学工学部機械システム工学科教授の古川英光先生から、「3Dプリンターが切り拓く未来」というテーマで実施していただきました。対象生徒は2年次理系生徒27名です。

以下に、参加生徒の感想を掲載します。

今回の講座に参加して「聞いたことのある3Dプリンター」から「興味を持った3Dプリンター」になりました。3Dプリンターには無限大の可能性が秘められていて、これからの世界を大きく発展させていくものだなと感じました。3Dプリンターの発展で失われる職業もあるかと思うので、3Dプリンターに使われる人ではなく、3Dプリンターを使う人にならなくてはいけないと感じました。

まだ為されていないことに挑戦している人たちが世界にはたくさんいることを知りました。講座前までは、自分には無理なことだと思っていましたが、講座後には興味を持ち、できるなら何かを深く研究してみたいと思いました。落雁を作る時の型を3Dプリンターで作った理由を聞いて、世の中に役立つものを作ろうとすることは楽しそうだし、世の中の役にも立ってとても素晴らしいと思います。それらを達成するためには、長い年月や費用が必要になるかも知れないし、何より気力が必要だと思いました。未来を作っていくためにも、私も世の中に役立つ何かを作れるよう、今の勉強を頑張りたいと思います。

古川先生、研究アシスタントの小玉さん、本日はありがとうございました。

3Dプリンターの紹介              実演に興味津々

 

 

 

 

 

 

 

米沢いただきます研究会の紹介       3Dプリンター製の型による落雁作り

 

 

 

 

 

 

 

グループワークの発表