2学期の学館生活にあたり⑦(校長より)

込めた思いを学館生らしく表現し、コロナ禍での東桜祭として、また一つ、東桜学館の新たな歴史を築いた生徒諸君に敬意を表します。

東桜学館で生活していると、学館生の団結のパワーに圧倒される機会は数限りなくあります。その一方で・・・友人関係などで学校生活に生きづらさを感じている人がいないのか、心配になることもあります。

今思えば、私は、中学か高校のいつの頃からか、”一人でいること”に対する抵抗感がなくなったように記憶しています。(もちろん、友人を拒絶していた訳ではありません。)逆に、なんでもかんでもつるんでないとできないことの方がカッコ悪いなと感じていたように思います。

今回、そんなことを思い出したのは、甲本ヒロトさんの次のメッセージを見つけたからです。
※甲本ヒロトさん:ラウンド・アバウト、THE COATS、THE BLUE HEARTS、ヒューストンズ、↑THE HIGH-LOWS↓を経て、現在はザ・クロマニヨンズ、ブギ連のボーカリスト。(Wikipediaより)

「学校に居場所がない子に言ってあげられることはありますか?」という質問に対する甲本ヒロトさんの回答を次に記します。
「居場所あるよ。席あるじゃん。そこに黙って座ってりゃいいんだよ。友達なんていなくて当たり前なんだから。友達じゃねぇよ、クラスメイトなんて。たまたま同じ年に生まれた近所の奴が同じ部屋に集められただけじゃん。」
「趣味も違うのに友達になれるわけないじゃん。山手線に乗ってて、『はい、この車両全員仲よく友達ね』って言われても、『いや、偶然今一緒に乗ってるだけなんですけど』って。友達じゃねぇよ。」
「ただ、友達じゃないけどさ、喧嘩せず自分が降りる駅まで平和に乗ってられなきゃダメじゃない?その訓練じゃないか、学校は。友達でもない仲よしでもない好きでもない連中と喧嘩しないで平穏に暮らす練習をするのが学校じゃないか。だからいいよ、友達なんかいなくても。」
ここで一つ確認したいのは、甲本さんは、友達がいる人を否定しているわけではないということです。クラスに友達がたくさんいて楽しかったり、友達いないけど楽しかったりと、すべてを肯定しているんだろうということです。その上で、友達がいない”ことで人生がつまらなくなることはないよ!と言ってくれているんだろうと思います。
他者は、自分とは育った環境、性格、ものの見方や考え方が異なる存在です。
だからこそ、みんなで力を合わせ、一つのことを成し遂げるのは難しいことであり、尊いことなのだと思います。
「他者は自分とは異なる存在であること」をしっかりと認識し、あるがままの自分を受け入れ、「多様性」と「寛容」の心を大切にできる人になってほしいと願います。