ゴールデンサークル理論とは
ここで扱う「ゴールデンサークル理論」を理解するには、Simon Sinek(サイモン・シネック)さんのTEDを見るのが一番だと思います。
サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか | ted.com
いかがだったでしょうか。一言で言うと、
「人は、何を(what)ではなく、なぜ(why)に心を動かされる」
ということでしょうか。
「why」 ・・・なぜそうするのか(信念、目的、何のためするのか)
「how 」・・・どうやるのか(商品やサービスの説明、方法、理論)
「what」・・・何をするのか(商品、サービス)
Whyから始めよう
TEDの中では、Appleやキング牧師、ライト兄弟の事例を紹介していました。
ここではAppleを取り上げてみます。
ケース①
円の外側から話を進めていきます。つまりwhat→how→wkyという順番です。
what「我々は素晴らしいコンピュータを作りました。」
how「美しいデザインで簡単に使え、親しみやすい製品です。」
why「一ついかがですか?」
ケース②
円の内側から話を進めていきます。つまりwhy→how→whatという順番です。
why「我々は世界を変えるという信念ですべてのことを行っています。」
how「私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ、簡単に使え、親しみやすい製品です。」
what「こうして素晴らしいコンピュータが出来上がりました。一ついかがですか?」
ケース①と②では、どちらが相手の心に響くでしょうか。
学校生活でも大切なゴールデンサークル理論
「なぜ?」を大切にするゴールデンサークル理論は、学校生活でも重要です。
例えば、部活動の練習。毎日のルーティンをただこなしているだけの練習と、今やっている練習はどのような目的で、何を鍛えるためのものなのかといったことを意識しながらやっている(つまり、”なぜ”を意識した)練習では、同じメニューに取り組んでも、おそらく効果や成長の度合いは異なってくるのではないか、ということです。
勉強もそうです。ただ、知識を覚えているだけの表面的な学びだけではなく、「なぜそうなるのか?」という問いを常に持ち続けながら取り組んでいる学びでは、同じ時間をかけても得るものは異なってくるでしょう。
東桜コンピテンシーに見る「なぜ?」
”東桜コンピテンシー”で、「なぜ?」を大切にしようと謳われているのが『批判的思考力(Critial thinking)』です。
※『批判的思考力(Critial thinking)』:誰が言ったかに左右されず、事実は事実、意見は意見として区別してそれぞれを評価する力。「なぜか?」という問いを常にもち、様々な角度から客観的に物事を考える力。情報を観察し、分析し、論証し、最終的には自分の意見を提示する一連の思考技術。
成功した人と「同じようにやっているのにうまくいかない」ということがよくあります。それは、ただ形を真似ているだけで、なぜそれをするのか?ということを本質的に理解していない場合に起こりがちのように思います。
先述したように、皆さんが取り組んでいる勉強でも同じようなことが言えるのだろうと思います。
そもそも「なぜ学ぶのか?」という問いを持つことがあります。この問いは、ただ一つの正解を持つ問いではないと思います。人それぞれ、それなりに学んだ先にその答えが見つかるものだろうと思います。
「なぜ学ぶのか?」の自分なりの答えを見つけるために学ぶと言ってもいいかもしれません。
「なぜ?」を大切にしながら、物事の本質を見抜く力を少しずつ身に付けていきましょう。