アーカイブ: SSH関連

第2回体験型実習講座「放射線」が行われました!

10月4日、今年度の第2回体験型実習講座が、本校物理・地学実験室にて実施されました。今回の講座は、113番新元素「ニホニウム」の合成および命名に携われました山形大学理学部物理学科教授の門叶冬樹先生から、昨年度に引き続き「放射線の基礎知識」というテーマで実施していただきました。対象生徒は2年次理系生徒28名です。

はじめに、放射線についての基礎知識を講義いただきました。危険なイメージの強い放射線ですが、正しい利用の仕方で、様々な方面で活用されていることを学びました。


 

 

 

 

 

 

引き続き、測定器「はかるくん」を用いて、校舎内外の放射線(γ線)測定をしました。生徒たちは、各々分かれて、真剣に測定していました。途中、自動販売機やコピー機などの電子機器の付近で、メーターを振り切れるほどの値を示し、驚いている生徒が現れましたが、それは電子機器からのノイズということで安心しました。

 

 

 

 

 

 

 

測定後、持ち帰ったデータとしては、0.040μSv/h前後の値で安定していました。

さて、後半は簡易霧箱を製作し、実際にα線の飛跡を観察します。

 

 

 

 

 

 

 

スポンジにエタノールをしみ込ませ、線源をセットします。底面を冷やすためのドライアイスを男子生徒がパウダー状に砕きます。男子生徒の多くは、このドライアイスを砕く作業に大盛り上がり!見事パウダー状になったドライアイスを敷き、霧箱を上にセットさせLEDで照らすと、放射状に飛び出してくるα線の飛跡が、飛行機雲のように白い線となって観察されました。「すごーい」という生徒の純粋な感動の言葉があちらこちらであがりました。しばらくじっと観察しています。α線という放射線に癒される時間がしばらく続きました。

最後に、昨年、命名権を日本が得た新元素113番「ニホニウム」の合成および命名会議の様子や山形大学の総合研究所についてなど、貴重なお話も伺うことができました。

<主な生徒の感想>

・私は”放射線”と言われると、体に悪いものだと思っていました。ですが、今回の講座に参加し、放射線は私たちの生活においてとても大事な役割を果たしていると気づくことができました。また、実際に放射線量を計測したり、放射線を目で見るというような経験したことのない、貴重な体験をさせていただき、放射線がとても身近なものに感じました。そして、化学・物理について、以前より興味がわいてきました。(女子)

・放射線は私たちの想像以上に存在し、空から降ってくるものだけでなく、建物から、人の体内からも発生しているものだと知ることができました。それに加え、放射線は医療にも使われて高エネルギーにしたものをがん細胞に照射し、対象の細胞のみを殺す方法も発見されていると知り、ますます山形大学に進学したいと考えるようになりました。(男子)

 

門叶先生、本日は本当に ありがとうございました。

次回の体験型実習講座は、理系生徒全員を対象として、1月に山形大学理学部にて行われる予定です。

SS健康科学 大学の先生による出張講義②が行われました!

9月19日(火)4・5校時に本校大講義室において、SSH事業に係る新科目「SS健康科学」における、大学の先生による出張講義が行われました。今回は、県立保健医療大学の高橋俊章先生により、「運動と健康」の単元において、1年次生201名が講義を受けました。講義では「健康寿命の延伸」をテーマとし、健康寿命(健康上問題のない状態)の期間を延ばすために運動が重要な役割を担っていることや、加齢に伴う様々な疾患や症状に対しての予防運動などを学びました。また、講義の中では実際に行われているトレーニング運動などの実践も行いました。特に咀嚼機能のための口輪筋のトレーニングでは、少し恥ずかしがりながらも大きな声を出しながら取り組みました。最後に先生から、人生の最後の最後まで元気で自立した生活が送れるように、高齢者の皆さんを支えていきましょうとのお話があり、生徒たちには介護予防についてどのように関わるかを考えさせられる大変貴重な講義となりました。

生徒たちの感想から

日本が他国と比べて平均寿命と健康寿命の差が大きいことを知り興味が湧きました。この差が意味することは生活の質についてであり、幸福観や生きがいに強く関わることだとわかりました。また、「21世紀における国民健康づくり運動」の中の10年後に目指す姿のうち、子どもと大人が希望の持てる社会、健康格差の縮小については実現してほしいと思いました。さらに、高齢者に適当なトレーニングを実際に体験してみて、簡単な動きだけど継続すれば効果のあるものだと感じました。介護予防について興味が出てきたので個人的に調べたいと思いました。

これまで、少子高齢化と聞くと、高齢者が増えすぎて若い世代に負担がかかって大変というイメージがありました。解決するためには、子育てのサービスを充実させ、子どもを増やすべきだと考えていました。しかし、今日の講義を聞いて、高齢者の住みやすい世の中の大切さを感じました。特に心に残ったのは、現在、国がおこなっている地域包括ケアシステムです。確かに、都会の大きな病院や介護施設に行けば長生きはできます。でも、知らない人に囲まれて、ずっとベットで生活するのは精神的にストレスがかかると思います。なので、このシステムは、家族と一緒にいながら介護を受けられるのでいいと思いました。また、高齢者が住みやすい世の中をつくるには、高齢者自身も予防運動などを行い気をつけなければならないことを知りました。

高校3年次通信第13号を発行しました

内容は「東桜祭大成功」「切り替え集会」 「9月行事予定」 「推薦・AO入試に向けて」となっています。是非ご覧ください。

高校3年次通信第13号

高校1年次探究講座【国際理解・開発教材・SSH環境科学分野】を開催しました。

7月24日(月)に、独立行政法人 国際協力機構(JICA) 山形デスク 国際協力推進員 三澤香織様、元山形県環境科学研究センター所長 佐藤芳春様を講師にお招きして、高校1年次に向けた国際理解に関する講演をしていただきました。三澤先生からはJICAの国際協力事業や持続可能な開発目標(SDGs)についてのお話、佐藤先生からはマーシャル諸島の環境問題に関する現状と気候変動に関わる今後の対策などについてのお話をいただきました。JICAボランティアとしての活動から持続可能な開発への取り組み、マーシャル諸島と日本の違いや環境問題について考えるべきことなど、グループワークも交えながら分かりやすくお話いただき、生徒にとって今後の身の振り方に関わるような大きな刺激になったようです。

 

 

 

<生徒の感想より>

 今回の講義でJICAや気候変動問題について深く知ることができました。世界各国で起こっている問題に目を向けることでより世界に関する興味が湧くきっかけになるし、なおかつ世界規模で起こっている課題に日本という一国の中の一員として何ができるか、何をすべきかを考えるきっかけにもなりました。これからの未来を明るいものにするには、一人ひとりが世界に目を通し、現状を正しく知ることが第一にすべきことなのだと思います。そしてこのことが将来風化されるのを防ぐためにも、子孫に語り継がれるべきだと思います。

 

 JICAという名前や活動内容を初めて知りました。様々な問題への「持続可能」を維持するための対応策が挙げられ、具体的で分かりやすかったです。マーシャルと日本の正反対な環境にも驚きました。日本がマーシャルに支援を行ったとしても現地での使用や手入れが難しいと支援だけでは現状は良くならないという事実があることが分かりました。宗教的な価値観も視野に入れ、いち早く行動に出る必要があると思いました。自分たちができることを見つけ、小さいながらも力になれるようにしたいと改めて考えるきっかけになりました。

 

 正直にいうと今までJICAという組織があるということすらも知らなかったので、今回お話を聞けて本当に良かったと感じています。また、マーシャルの実態を詳しく知ることができ、私たちの知らないところで様々な問題が起きていることに気付くことができたと思います。そして、先進国に住む一人として、温室効果ガスの削減や途上国への支援など、考えなければならないことがだくさんあると気づくこともできました。今回の講演はこれから生きていくなかで直面するであろう問題解決のため、また将来の選択のために必ず役に立つと思います。先生方に感謝でいっぱいです。

 

 先生方の体験談などを交え、分かりやすくお話していただきました。日本とマーシャルを比較してみることで、自分たちの今の当たり前は絶対でないことを感じ、考えさせられました。まだまだ世界中での課題が多く、解決へ向かっているものやそうでないものもあり、これからの日本・世界で改善すべき点が多々あることも実感しました。私たちにもできることを考え、実行できるようになりたいと思いました。

 

「スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」に参加しました

8月9~10日に神戸国際展示場において「平成29年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」が開催されました。
この発表会は、全国のSSH校の代表が一堂に会し、互いの研究の成果をポスターセッションの形で発表するものです。そして、各部門毎に優れた研究を選考し、6つの研究が参加者全員の前で披露されました。
本校からは、3年鈴木清香(せいか)さんが、2年次の未来創造プロジェクトで取り組んだ「おいしく吸収しやすい経口補水液を作る」について発表しました。また、一般参加として、2年の平田智士さん、井上晃輔さん、阿部衣純さん、八鍬知歩さんが参加しました。参加した生徒は、他県のSSH校の生徒の発表等に大いに刺激を受け、今後の課題研究等の取組に対する意欲を新たにしました。

《1日目》8月9日(水)9:00~10:15開会式・基調講演、10:30~12:30・13:30~17:00ポスター発表、17:30~18:00全体発表校選出・講評
《2日目》8月10日(木)9:00~11:30全体発表校による口頭発表、12:30~13:30ポスター発表、14:00~15:00表彰・全体講評・閉会

会場となった神戸市ポートアイランドの神戸国際展示場

本校からは、3年鈴木清香さんが東桜学館初めての発表者として参加しました。


交替で質疑等の内容を記録しました。

ポスター発表は次の8つのブースに分かれて行われました。
Ⅰ物理・工学、Ⅱ化学(有機)、Ⅲ化学(無機)、Ⅳ生物(動物医学系)、Ⅴ生物(植物農学)、Ⅵ数学、地学、情報・その他、Ⅶ海外参加校、Ⅷ連携機関

海外からの参加もありました。

会場の一画には、希望により発表の内容をアピールすることができるコーナーも設けられていました。

参加者には「GOOD JOBシール」が配布され、印象に残ったポスター発表ブースのテーブルクロスに感想等を記入して貼ることができます。鈴木さんの発表にもたくさんの「GOOD JOBシール」をいただきました。

SSH校としてはじめての参加になった今回は、5名の生徒が参加し研修を深めました。

各部門毎に6つの研究が参加者全員の前で披露されました。

発表された研究は、いずれも研究の動機や目的が明確で、条件設定の工夫や実験道具の開発など随所に創意工夫が見られるものでした。
また、全体講評では、審査員の先生方から「先行研究との違いを明確にすること」「仮説と結論を明確にすること」などの課題も示されました。

大会の最後に各部門毎の表彰が行われました。
文部科学大臣表彰(1校)、国立研究開発法人科学技術振興機構理事長賞(2校)、審査委員長賞(3校)、奨励賞(6校)、ポスター発表賞(20校)、生徒投票賞(12校)

東桜サイエンスラボを行いました!

8月5日(土)本校において、東桜サイエンスラボを行いました。これは、SSH指定を受けて、今年度から初めて行った事業であり、地域の小中学生を対象とした親子実験教室です。講座内容などの詳細は、次のリンクをご覧ください。

東桜サイエンスラボ参加者募集の記事

延べ29組60名ほど参加して下さいました。当日は、本校中学、高校の自然科学部員などもティーチングアシスタント(TA)として参加し、地域の方々と触れ合いました。参加者の皆さんのみならず、TAとして参加した本校生徒にとっても、サイエンスを通して、楽しく、充実した、そして成長できた有意義な一日となりました。以下に、ラボの様子と、参加者およびTA生徒の声の一部を紹介します。

【参加者の声】

知的好奇心が刺激され、とてもおもしろかったです。TAの生徒さとの触れ合いが、とても良かったです。やさしいお兄さんがいろいろ教えてくださって、とても良かったです。

生徒さんがていねいに教えてくれて、とても楽しく学習することができました。また、ぜひ参加したいです。

【TA生徒の声】

相手に自分の考えていること、知っていることを直接全て話すのではなく、相手の考えや知っていることを踏まえて教えてあげる事が大切。大まかなことまでは説明できるのですが、細かく説明しようとすると、あやふやになってしまったり、伝えたいことが伝わりづらくなってしまったり、教えることは難しいとその場になって気づかされました。(高校生)

人と接することの楽しさを学んだ。自分から接することができるようになった。会話を通して「楽しい」などの言葉を言ってもらえるととても嬉しかった。(高校生)

人に教えることが少し好きになった。教えた人がきちんと実験できたとき、自分も達成感を感じた。(中学生)

今日、はじめて会った人にもきちんと話せて、コミュニケーション力が成長できた。(中学生)

高校1年生「デザイン思考講座」が行われました!

東北芸術工科大学 デザイン工学部 プロダクトデザイン学科長 柚木 泰彦先生を講師にお招きして、7月14日(金)、21日(金)と2週にわたり、高校1年生「デザイン思考講座」を行いました。4~5名のグループに分かれ各グループ1名選び、その生徒の理想とするペンケースを他のメンバーがデザインするという内容でした。アイディアを生み出すために、何度もインタビューや話し合いを重ね、色画用紙やカラーペン、カラー段ボール等を使いプロトタイプの作成を行いました。ある一人の理想のペンケースを作るという共通のゴールのために、どのグループも活発な話し合いや協力が見えました。今回の授業を通じて、考えたことを形にすることの難しさや、他の人の求めるものに耳を傾けることの大切さ、物事に対する考え方のヒントになった等今後に生かしたいという声が多くありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回の授業を通して、物事を客観的に見つめ意見を交わすことでさらにアイディアを拡張し発展へとつなげる力を身につけることができたと思います。インタビューを通じて「相手がどのようなものを必要とし、どう活かしたいと思っているか」を客観的かつ創造的に考え、それを実際に行動に移すことで創造的知性を深めるきっかけにもなり、普段あまり話したことのない子とも交流が深まった気がします。今後の学習においても、今回養った力を存分に活かしながら学習に臨みたいと思いました。

 

 今回は、相手がどういうペンケースを求めているかを考え、大きく、沢山入れられるようなものを作ることができました。もしもう一度このプロセスに取り組めるとしたら、1つのことだけではなく、沢山のアイディアを組み合わせて作りたいと思いました。また、自分の考えだけでなくたくさんの人と関わり意見等を共有することで、より深くまで考える事ができるので、普段の授業でもどんどんアイディアを出して、より良いものを作り上げていきたいと思いました。何事も積極的に参加していきたいです

 

 最初のアイスブレイクが大切なことがわかりました。アイスブレイクの深さによって発想が広がり、より良い検証につながりました。ペンケースを作るときには相手の欲しい物、形、色に合わせて作り、さらに使いやすい所を増やし相手が求める以上の物を作ることを意識しながら取り組めました。また、一人ひとりではなく協力することで良いアイディアが生まれることがわかりました。今回の授業で得たものを活かして、世の中の困っている人や障害を抱えた人のためになるような物をデザインしてみたいと考えました。相手の話を聞き洩らさないという気持ちを大切にしたいです。

TOUOH SSH通信 第1号

東桜サイエンスラボ実施!受講生を募集します

今年度よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校となり、様々な活動を展開しています。

その1つとして小中学生を対象とした親子実験☆科学教室「東桜サイエンスラボ」を下記の通り開催します。

本校生もアシスタントティーチャー(TA)として、皆さんのお手伝いをさせていただきます。

小学生、中学生の皆さん、この夏、東桜学館に遊びに来ませんか?

問い合わせ先  東桜学館高校

℡0237-53-1540 研究課 佐藤 まで

 

 

東京大学「高校生のための金曜特別講座」④

東京大学教養学部が主催する「高校生のための金曜特別講座」の第4回目を7月14日(金)行いました。今回は、上半期の最後の講座となりました。また、金曜講座でも初めての試みで、東京大学の学生が講師となった講座でした。産婦人科医であり、現役の東大生でもある籠田文夫先生による「人間、一生、勉強」というテーマでした。本校生37名が受講しました。

息子の大学受験を機に、自らも東大受験に8度挑戦して合格を勝ち取るまでの過程や、その経験を通して学び得たユニークな思想等を紹介していただきました。「学ぶことに、いつ役に立つかなんて求めない。学んだことが思いもかけない場面で役に立つことが大変多い。役に立たないことはない。」受験勉強としてではなく、純粋に学ぶことへの意欲がにじみ出る先生の講演に、生徒は食い入るように耳を傾け、決意を新たにしていました。

今回の講座を受けて、やはり勉強していて損することはないということを改めて感じることができました。今、たくさんのことを学び、これからの未来、いろいろな道を歩んでいくために、選択肢を増やしていきたいと思います。また、何事も失敗を恐れず挑戦していきたいと感じました。今、自分が志望している大学に合格できるように、努力を忘れずに頑張っていきます。

籠田先生が、「一度しかない人生なのだからできるだけたくさんのことを知りたくて、もう一度大学に入って勉強したいと思った」と話していいて、”もっと知りたい”と思うことは大切だと思いました。・・・(中略)・・・「今やっている勉強が”絶対に役に立たない”とは言い切る事はできない」と聞き、私も前向きに勉強に取り組んでいきたいと思いました。

「人生は一度しかなく短い。だからこそやれることは少しでも多くやっておいた方がいい。」ということが印象深く残った。・・・(中略)・・・人生は「一生をかけて勉強するもの」です。このことを頭に入れながら、これからの生活をよりよく送れるようにしていきたいと思いました。

息子が大学受験だからといって自分も受験しようと思うことが凄い。普通は思わないと思う。・・・(中略)・・・諦めずに8回もセンター試験を受験し合格できたとは「諦めなければ何事も成し遂げられる」の良い例である。私も諦めずに勉強をしっかり頑張りたい。また、人生、いつ何が起こるかわからないと思った。今後人生の分かれ道で選択しなければならないことがあると思う。その時は、一度その場に立ち止まり、しっかり考えて選択したい。